N言語のそのままで

琴線に触れたことをちょっとだけ考察入れながら書き起こします。生業はシステムエンジニアでボランティアでカウンセラー活動しています。ベースは心理学、現象学です。

自己肯定と相互尊重 -HUGっと!プリキュア第19話より

HUGっと!プリキュアの第19話がすごかったのでブログはじめました。

 

かなり攻めたジェンダーの話が主題だったと思うのですが、
それを基礎付ける価値観として自己肯定と相互尊重をはっきりと描いているのに心打たれました。

「そうか、君も苦しいのか。(オシマイダーをハグして)
ごめんね、けどぼくは君のために僕をかえることはできない。
誰に何を言われたってかまわない。僕の人生は僕のものだ。
僕は僕の心を大切にする。だってこれが僕、若宮アンリだから。
君も君の心をもっと、愛して。」
HUGっと!プリキュア 第19話より)

 

アサーションなり、ゲシュタルト療法なり、NLPもそうだと思うのですが
現代のカウンセリングやコミュニケーション理論の多くに共通する
自己肯定と相互尊重がほぼそのまま言明されています。

 

さらにカウンセリング的だな、と思うのが「ごめんね」と断っているところ。

あなたの気持ちを思いやっているよ、その上で、僕は僕として振舞います、という
気持ちの近さと、健全さを保つための境界の両方を併せ持つ態度。

あなたのことを思っているけれど、僕とあなたは違う存在であり、それぞれに生きていく。
僕が僕の心を大切にしているように、あなたも自分の心を大切にしてほしい。
あなたが大切にするあなたの心を僕は大切に思う。

自分の境界からできることややっていいことの限界を知りながらも、
あなたに対して祈っている、人間の切なさがこの「ごめんね」にあらわされていると思います。


私は、自己肯定できるから相互尊重もできるようになる、という観点で書いてます。
自己肯定の点については愛読しているプリキュアの数字ブログさんもふれられています。

prehyou2015.hatenablog.com


作品自体、自己肯定をテーマにしているのは本当にそう思います。

自己肯定とキャリア(HUGプリでは狭義のキャリアになりますが)も直結するところなので
また考えて、文字に起こしてみたいな、と思います。


脚本を書いた方は心理学方面の知識があるのかもしれないですね。
無いのだとしたら、逆にすごく嬉しいです。
生活から導き出されたものと、心理学の成果が意図せず同じで、
それを子供たちに伝えたいと願っているなんて・・・本当に嬉しさがこみ上げてきます。

欲を言うなら、アンリくんが自己肯定と相互尊重を獲得するまでのことが垣間見えると納得感がアップするかな、なんて。
30分の尺でこれ以上を望むのはいいすぎですけどね。


見ている子供たちの心に、大人たちの祈りが少しでも届いているといいな、と願わずにはいられません。